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拭い切れない偽物感

【グロービス】人材マネジメント Day1

グロービスにおけるヒト系科目は

 Organization Behavior(個人の取り組みやリーダーシップで動かす)

 Human Resource Management(組織の仕組みで動かす)

の2つが科目設定されている。

事前にメンターから、Organization Behaviorは経営戦略に関わる部分があり、マーケ・経営戦略系科目受講後を薦められたため、今回はHuman Resource Managementを選択した。

 

講師は羽野先生。バブルの頃に社会人スタートし、人事、広報、システム、財務、物流など…様々な職務責任者を担当されたそう(異業種にもほどがある)

現在は思考系科目などを中心に、教鞭を取られている。

明朗なお人柄ながらも、生徒の発言をホワイトボードで一気にまとめ上げるスタイル。クリティカルシンキング小島先生もそうであったが、学生の意見をすくい上げながら、3時間で講義ストーリーを一気に構築する姿は圧巻であった。

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初回のケースは「サイバーエージェント」、1998年創業から、2000年上場。投資家からの強いプレッシャーと、急成長に伴う社員間の軋轢が発生した。

企業ビジョンである「21世紀を代表する企業」を目指すために、人事責任者である曽山氏を主体として様々な人事施策を実行した内容について、設計や運用の背景が描かれている。

講義では、経営戦略や外部/内部環境などによって、人事施策を整合させていくことが重要であり、あくまで「状況依存的」な手段であるという。

そして戦略に合わせて、人事のバリューチェーン「採用→ 配置→評価→報酬→育成→退職」を整合させていくことが、こんな風に働いてほしいというメッセージに繋がり、円滑な戦略遂行に紐づいていく。

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組織や人事制度は「働き方を制約する」強力な影響を持つ一方で、このバリューチェーンは、運用フェーズで最適化していくことが不可欠であるため、設計して終わりではなく、現場や運用モニタリングを徹底しながら、不断にオペレーション改善することが必要という。

サイバーエージェントは、業界で見ても独自の社風やポジショニングを築いていると感じるが、人事戦略がうまく機能した企業の一つなのだと思う。

サイバー社における施策運用の徹底は、ケースや講義以外の部分でも感じていた。現職では「Geppo」と呼ばれる、CA社が開発したコンディション変化発見ツールが導入されている。

www.geppo.jp

月1回、個人別で簡単な質問やエスカレを上げるだけの、とても簡素なUIなのだが、大企業においてはここまでしないと回答率が上がらない、組織異常に気づけないということなんだと思う。

単純だからこそ、経営-人事-機能部門が会話する上では有益なのかもしれない。

 

サイバーエージェントの人事施策をプロットすると、サイバーらしさ(他の一般企業では設定しない、このようなネーミングしなそう)を感じさせる。事業創造を同時多発的に進めるための挑戦を促しながらも、「ずっと働ける企業」として安心して働けるための施策をバランス良く実行している。

 

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リクルートとサイバーは業界外の方から見ると、やや近い雰囲気があるのだろうか?

確かに「起業家精神を重んじる」「フラットなコミュニケーション」「若いうちから活躍できる」は共通点かもしれない。

が、中の人からすると、事業の作り方や事業に対する思想、得意分野は大きく異なると感じる。

リクルートは「業界構造」の不を捉え、売上と利益をしっかりと押さえ、シェアを取りに行くビジネスが得意だ。

一方でサイバーは「サービスやプロダクト」目線で、よりユーザーが喜ぶものや、イケてる世界観を求めて、チャレンジャー精神で築く印象がある。

またリクルートは在庫を持たない、低固定費のビジネスモデルが多いが、サイバーは自社メディアには、直近のAbemaTVを始め積極的な投資を仕込んでいる。

今風に自虐すれは、リクルートはPL脳な部分が大きい。隣の芝が青く見えているだけだろうか?笑

いずれにせよ藤田社長をはじめとした人々の、仕事に対する哲学は学びが多い。創業社長は、やっぱりカッコいい。

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